今回は、自分には関係ないと思っていたメンタルマネジメントやストレスマネジメントの大切さに気づいたので、その話を。(長文です…読みづらかったらごめんなさい)
弊社では、2020年の3月3日頃から全社員がフルリモートへ移行しています。
実際にやってみて分かったのは、思った以上にリモートでもやっていけてるということです。限られたリソース・期限の中での作業というところは変わらず、むしろ満員電車など余計なストレスが減った事で、仕事のパフォーマンスは向上したように思います。
一方で、家族と一緒にいる時間が極端に増え、「自分だけの時間」を持たなすぎることを起因にしたトラブルも多かったのですが…今回は省きます。
そんなこんなで、ここまでの5ヶ月は、家の中で過ごす穏やかな日常の中で、日々の業務を普段通りにこなしつつも、自分というものをじっくり腰を据えて見つめ直す、良い機会になったなと思ってます。
人間の思考を変えるには6ヶ月かかると言われていますが、リモートワークになって5ヶ月目のタイミングで、丁度執筆の機会を頂いたので。コロナ禍の中で起きた私の思考や意識の変化、それによって変わったことを、ざっくりと振り返ってみようと思います。駄文ですが、お付き合い下されば幸いです。
2020年3月〜8月「自分の棚卸し期間」
変化した意識①「当たり前に自分が出来ていることが価値を持つ」ということ
「自分には何もない」「○○さんと比較して出来ない」思考→「自分が当たり前にできていることに目を向ける」
それまでは、自分でそう思ったり人に言われたりで「自分は出来ないやつだ」「ダメなやつだ」「足さなきゃ、足さなきゃ」とがんばるものの『もうがんばれない…』と体が言うことを聞いてくれない。心と体の不一致と一人相撲を取る苦しい毎日でした。
この負のループを断ち切るきっかけになったのは、この思考のせいで「疲れてる」自分に気づいたこと。もしダメな部分が改善されたとしても「また違う新しいダメ」が産まれるだけなんですよね。不毛ですよね。
なので、「こんな自分でも何かあるはずだ」と、ないものじゃなく、あるものに目を向けてみることにしたわけです。
…で、実はこれってマーケティング的な思考なんですよね。シンデレラおじさんが最近また話題になりましたが、youtuberのやっちゃんねるさんのように、『なんの変哲もない普通のおじさんの日常』にめちゃくちゃ需要があったというような話をご存じですか?これこそ、自分では価値と思ってないことが他人から見たら価値だったという話に通じますよね。そんな事が世の中多いし、それが当たり前なんです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/737785f5e3f4ee9a7236bd9def164e451f2a3374
当たり前にできてる自分を見つける方法としては、新しい人にどんどん出会うこと。整体の先生やジムのインストラクターなどなど…いろんな新しい人に自分の仕事の話や考え方を披露をして、その反応を見るということを繰り返し、自信に繋げていきました。
変化した意識②「すぐに結果や結論を出さない」ということ
「0か1か」の思考→「白黒ハッキリつけなくて良いんだ、ハッキリしないのが普通なんだ」
①の思考の背景にある、完璧主義や極端なゼロイチ思考、直ぐに結果を求める思考の存在に気づき、もっと柔軟になるよう調整しました。「100点じゃなきゃ許せない自分」「80点じゃだめなの」「むしろ取り組んでる事自体が評価されるんじゃないか」「今結論でなくてもいいか」と、どんどんハードルを下げて自己効力感を高めていきました。
白か黒かで判断しない…グレーの連続体、スペクトルとかグラデーションとかそういうイメージを思考に対しても持って、思考の幅を広げるということですね。
そういった自己効力感が、自分の仕事への自信にも繋がり、仕事のパフォーマンスや集中力の向上に影響したと思います。
変化した意識③「まず自分が幸せになる」ということ
「みんなが幸せそうにしてれば私は幸せ」の思考→「自分が幸せかどうか」
それまでは、人に合わせすぎて疲れている自分が居ました。今振り返ると他人の何かを達成するために、自分のリソースが搾取され続けていたなと思う時期もありますね。(一緒にやってて凄く楽しかったし、勉強になったのは間違いないですが…自分が苦しい時まで自分を犠牲にする必要はなかったという話です。)
これまで他人軸で生きて、自分が分からなくなった私は、兎にも角にも「人に左右されない自分最優先の生き方」を取り戻すべきという考えに至りました。シャンパンタワーの法則にあるように、まずは自分を満たすことが大事。
そこで、「自分がいま何を食べたいのか」「ホントはこっちが食べたいと思ってる自分がいるんじゃないのか」と今まで目をそむけていた、自分の小さな心の声に耳を傾ける事から始めました。
声が聞こえない時は、普段の自分じゃ絶対やらない選択肢を選んでみる「自分壊し」をやってみたり。(例えばドリンクバーでいつもは紅茶一択なのに、飲んだことないバニラオレ飲んでみるとかですね。ショボいことで十分でした。)
それによって、「行動を起こす」ことへの心理的なハードルがかなり下がったみたいで、行動力がめちゃ上がりました。やれと言われても、どんなに引っ張っても動かない野牛のように行動力が無かった私が…今では何をするにもフットワークがめちゃ軽いです。
そうやって自分最優先のしょぼい行動を繰り返し行うことで、好きなことや興味、強みなどへの自己理解を深めていき、自分軸の作成に繋げていきました。まだイメージが沸いてないのですが、いつかそれが、自分が快いと思わないことにNOと言えたり、自分の意見を言えたり、自分にとっての幸せというところに繋がっていくんだろうなと思ってます。
変化した意識④「自分を大切にする」ということ
「悪い考えに囚われる」思考→「自分の思考を良いか悪いかジャッジしなくていい」
今までは、悪い自動思考が浮かぶとすぐ負のループに陥っていましたが、マインドフルネスのワークを通じて、折り合いがつくようになり気持ちが楽になりました。
自動思考という自分の意志と関係なく浮かぶ思考(頭の中に浮かぶ台詞のようなもの)があるのですが、それが誰しも頭の中で1日に10万回くらい再生されてるんですね。
そのほとんどが気づかずに流れて消えていってしまうのですが、その中でネガティブな自動思考をフッと拾って考えてしまうと、どうなるか。その自動思考をきっかけに、負のループに飲まれて凄く疲れてしまい、ただ苦しいだけの無駄な時間を消費してしまうわけです。知らず知らずの間に、ネガティブな言葉を自分に浴びせて、ぐるぐるぐるぐると…自分を苦しめていたんですね。
なので、嫌な思考が浮かんだら「へーそうなんだ」と言って流す、評価しない、それ以上考えないということをやっていきました。
こうやって制御不能になる前の状態で負の感情の芽を摘む事により、自分のネガティブ思考に振り回されず、自分が楽しいと思う事にエネルギーを使ったり、本当に大事な意思決定するために時間を使う、ということができるようになりました。
余談ですが、心と体は密接な関係があるので、過緊張体質の改善もメンタルマネジメントの精度を上げるのにかなり良い影響がありました。過緊張だと常に筋肉が緊張した状態なので、呼吸も浅く、リラックスする事ができなくなってしまうのです。が、「深呼吸」を常日頃意識することで、ストレッシャーからの身体反応で力みや硬直を感じた瞬間にフッと筋肉を脱力する事ができるようになり、自律神経への刺激を軽減し、イライラを減らすことができました。
また、深呼吸をしていく中で「深呼吸がしにくいな」と思っている自分に気がついてカイロプラクティックを受けたりもして。そのおかげで、脳にしっかりと酸素が行き渡るようになり、より深呼吸がしやすい体に変わりました。また、気分の波がなくなったことで、落ち着いた状態で深く思考できるようになりました。
最後に
こうしてこの5ヶ月で、メンタルコントロールやストレスコントロールというモノが段々と板についてきて、気持ちの切り替えなどがスムーズに行えるようになってきました。結果としては、リモートワークの効果に加えて、これらの自分に優しくない思考の改善により、人生の質や仕事のパフォーマンスを向上させることができました。
最後に会社のブログなのでビジネスっぽいこというと、ビジネスの視点でも、コロナによる外部環境の大きな変化により、ユーザーの購買行動が大きく変化しています。そこには少なからず、人の心の変化が全世界規模で起きていることが関係しているように感じました。
購入活動がオンラインベースになり、またbrlief driven buyingになったりと、すごく大きな購入トレンドが、短期でも中・長期でもガッと市場に対して吹き荒れていて、その中でお客さんの行動様式や検討・購入行動、利用行動がドンドン変わってきている…という状況です。企業としてもこの変化について行けるよう今から準備が必要です。
このコロナ禍を、「あのせいで全てが変わってしまった」と捉えるか「自分が変わるきっかけになった」と言えるかは自分次第。
次の半年では、この半年の意識の変化や思考をUXや顧客理解などビジネスに紐付けて考えていけるようになったらいいなと思います。