参加者全員で議事録を共同編集し始めたら会議の時間が短縮された事

デジタルステージ会議室

こんにちは、プロジェクトマネージャーのコウです。
会議に於ける悩みはどこの企業にもある様ですが、もちろん弊社も違わず抱えております。
様々な改善手法が世の中で紹介されておりますが、デジタルステージでも会議の問題を解消すべく試行錯誤しておりまして。
今回は取り組んでみて一定の効果が見られた施策を振り返ってみたいと思います。

会議に於ける問題点の抽出

会議の問題点は目的や体制などによってかなり様々で、アプローチ方法もそれに応じて多岐に広がるかと思いますが、中でも顕著な問題点をピックアップしてみました。

  • ただ集まって場当たり的に進行するので、全体の流れやゴールが見えずダラダラと長くなりがち
  • 場当たり的なので資料や説明の準備が不充分で内容把握や議論が深まらない
  • 参加者共通の認識を作れず、個々での理解に留まってしまう(誤認していても気付けない)
  • 参加者の主体性が乏しい

まぁ、お恥ずかしい話ですが、よく云われる事前準備不足、ゴールの設定などが曖昧でした。
特に報告会も兼ねた会議にこの傾向があり、その割に定例的に行われるので時間を圧迫して参加者のストレスや業務の非効率に繋がっていたのではないかと思います。

議事録をキーに会議のルールを変えてみる

それまでの会議スタイルは、各々が自分のノートPCでそれぞれ個々で議事録をつけていたので、実際にどの様に理解されたかまでは知る由がありませんでした。
そこでクラウド環境で複数人同時編集出来るドキュメントファイル(ストレージサービス『Box』のBox Notes)を作成して、全員で同じ議事録を見ながらそれぞれが編集するスタイルを取る様にしました。

まず、会議の改善目標を立てました。

  • 会議の事前準備を行い集中力と質を上げる
  • 情報共有と議論すべき内容を分けて取り扱う
  • アジェンダを事前設定する事で会議の目的を明確化させる
  • プロセスを事前設定する事で目的達成までスムーズに進行させる

そして上記に基づいてルールを定めていった訳ですが、主なルールは以下となります。

  • 会議開始までにアジェンダと報告事項を参加者全員で議事録にまとめる
    • アジェンダについては、概要と背景(必要に応じて資料など)、確認したい事と決めたい事、決める為の条件やプロセスを提示
    • 1アジェンダ10分以内を目安とし、長時間の議論が必要な場合は別で会議を設ける
  • 議事録に添って会議を進行
  • 会議進行中は全員で議事録を見ながら各自で情報を編集していく

あまり細かくはせずこの位のルールで開始しました。

ルールを作った結果

ルールに基づいた会議を行う様になり、改善された点、まだ改良の余地がある点、それぞれ浮き彫りになって来ました。

改善された点

まず改善された点から云いますと、その日の会議の全体像が見えるので議事進行がスムーズになりました。
それまでは目次の無い本を読む様な状態だったので、いつ完結するのか判らないストレスがありましたが、常に現在地が分かるので議事進行のコントロールもし易くなりました。

その結果、設定時間を大幅に超過する事が多かった会議が時間内に収まる様になりました。
事前に議事が決まっているので、アジェンダが少ない日は予定の半分以下の時間で終わる事も。

そして、事前準備により共有内容などの抜け漏れが少なくなり、脱線しない集中した議論が出来る様になったと思います。
以前はテーマも曖昧に話が始まって枝葉が広り途中から「今何の議論してるんだっけ?」みたいな状況に陥る事がありましたが、本題を常に意識出来るので話が纏まり易くなりました。
また、発議する人が事前情報もなく一方的に話す事もなくなり、議事録に要点をまとめてあるので理解し易くなりました。
全員でひとつの議事録を編集するので、誤認や共有漏れも減った様に思います。
会議が終わったら議事録が完成する流れなのでそれも楽ですね。

改善の余地がある点

それでも議論が迷走したり、時間超過したりする事はありますが、おおよそ下記のポイントに集約されるのではないかと分析しています。

まず、当たり前ですが議事録に書かれていないアジェンダがその場で発議された場合。
この分の時間が上乗せされるのは勿論ですが、これまでにも説明した通り事前準備もしていないので様々な面で効率が落ちます。

アジェンダが事前設定されていたとしても、プロセスが定まっていないものは迷走しがちです。
具体的に何を決めたいのか解らない、決める為に何を議論すべきかも解らないではゴールも分からず走っている様なものです。
ざっくり投げ込まれたアジェンダにこの傾向が見えます。

リアルタイムの議事録編集はもう少し慣れが必要そうに見えます。
会議中の会話だけで流れてしまい議事録に書き込まれないものが散見されます。
理想はその場で話された要点などが適切に議事録にリアルタイムで追記される事ですが、そこはまだフォローが必要そうに見えます。
あと、人によっては全員で見ている議事録に書き込む事に遠慮がある様な。

終わりに

実際ルールを定めてみて良かった点の方が多かった様には思えます。
会議に対する主体性などは個々の性質なども起因するので、全部が全部ルールだけで改善できるとは思いませんが、それでも事前準備を行い同じ議事録を共同編集するスタイルにする事で一緒に取り組んでいる感は出てきたかなと。
これに満足せず会議の精度がより高まる様に今後も試行錯誤したいなと考えております。

コウヤスカズ カテゴリーの記事一覧 -