デザイナーになる為に進学は必要かについての個人的考察

デザイナーになる為に進学は必要かについての個人的考察

 
こんにちは、プロジェクトマネージャーのコウです。
個人的な話で恐縮ですが、次男が高校三年になり、いよいよ進路の話が具体的になって来まして。
親の影響もあってかデザイン方面に進みたい意向があり、最近は美大や関連専門学校の資料を取り寄せたり体験入学に参加したりしています。
そんな訳で最近は職業と教育機関の関係性を考える事が多いので、本日はデザイナーになる為に進学が必要かについて、独学でデザイナー人生を歩んできた私の偏見に基づく考察を行いたいと思います。
いち意見として参考にご覧下さい。
 
前述の通り私自身デザインに関しては完全に独学で来てしまったので、進学に関してはピンと来ていないのが正直な処です。
例えば何かの機器を購入した時に、取扱説明書を一通り読んでから使用するパターンと、取り敢えず使い乍ら分からない部分を取扱説明書で逆引きするパターンがあるとします。
私は完全に後者のパターンで、デザインに関しても実践の中から必要に応じて自分で調べて技術や知識を拡張して来た経緯があります。
逆に従来の教育機関と云うと前者のパターンをイメージします。 

4年と云う歳月の捉え方

 
ポイントとしては、知識→経験と経験→知識の違いになりますが、何かを身に付ける上でこのバランス感が重要なのではないかと考えています。
私は進学自体を否定している訳ではありませんが、進学が学生の延長期間と捉えるのか、社会への移行・導入期間として捉えられるかで大きく異なると考えています。

進学が学生の延長期間と捉えるのか、社会への移行・導入期間として捉えられるか

私個人としては、前者であるならさっさと社会に出て、その中で得た学びのニーズを元に大学に行った方が良いのではないかと思う訳で。
4年の歳月は長い。
ひとつの企業で4年も勤めたらそこそこな経験を積んだ状態になれるでしょう。
若い内にそのアドバンテージを得られるメリットは充分にあると考えられます。
 
以前、とある大手企業の部長職の方と一緒に仕事をしましたが、彼は高卒で就職して25歳程で部長職を任されていました。
社会人で25歳と云うと随分若く感じますが、高卒入社で考えると7年の在職期間。
ベテラン社員と云っても良いかもしれない。
当然個人の努力や能力の高さもあるとは思いますが、それを培う経験値も大きく寄与する部分はあったのではないかと。
 
そうなると進学する意味ってなんだろうなと考えてしまう。 

教わる側が培うべき能力と学ぶニーズ

 
改めて断っておきますが、私は進学を否定している訳ではありません。
ただ、"教える側"と"教わる側"と云う明確な分離スタンスにあまり能動性を感じていないのは事実です。
子供達は幼い頃より"教わる側"をきっちりこなして育ちますが、自らのニーズに添って教わり方を学ぶ機会は殆どありません。
教わりたい事を教わると云うのも実際にはノウハウや経験が必要です。
実社会では教わる為の明確なメソッドやカリキュラムなんて無い事の方が多い。
大学がそこを押さえられないなら学生の延長期間と見做されても仕方ない様な気もします。
 
冒頭で私が述べた通り、私は仕事の実践の中で"学ばなければいけない"ニーズがありました。
学ばなければ仕事が成り立たないし報酬も得られないから死活問題。
ですが、この様なニーズが社会人未経験の学生にどのくらいイメージ出来るか。
現実難しいだろうなと感じます。
なので前述した通り社会に出てニーズを得てから教育機関を利用するのはアリだと考えています。
何なら私が今大学行きたいくらいです。

作った分だけ成長出来る

 
就職しないとデザイナーの実務経験が積めないかと云うとそうでもありません。
私は音楽活動を行っていた関係で、デザイナー走り出しの頃はWebサイトやCDジャケット、フライヤー、ポスター、名刺等、自分の用途だけでなく友人知人の依頼を受けて兎に角作りました。
アーティスト写真撮影の必要性も出て来たので一眼レフカメラや照明器具を購入して撮影環境も整えました。
予算もないので兎に角自分で出来る事は自分でやるしかないのです。
それを繰り返す内に友人の実家が経営する企業サイトや勤め先の大学研究室のWebサイトを作ったり多岐に広がりました。
 
以前、職業訓練校でWebデザインを学んだ直後の方がデジタルステージに求人応募して来た事がありました。
私がデザイナー面接する際にまず重視しているのはポートフォリオですが(注:学歴を参考にした事はない)、その方のポートフォリオ職業訓練校の授業課題と思われる練習サイトが数点あるのみ。
経験が少ない事は仕方ないとして、職業訓練校で指導された事したやっていない事、自ら作品を作ろうとする姿勢が無い事をマイナス評価しました。
 
書きながら一種のパワハラに捉えられないか少々心配ですが(笑)、私が云いたい事はクリエイティブワークの実務は現場に入らなくても幾らでも経験を積めると云う事。
それは当然学生にも云えます。
何も実務を積むのに卒業を待つ必要は全く無い。
4年も待たず在学時期から並行して実務経験を積めば良い。
それによって能動的な学びとなり、学業と実務との相乗効果が現れるかもしれない。
そんな事を考えます。 

デザインを学ぶだけではデザイナーとして足りない

 
基礎を学ぶ事は大切です。
その点に於いては私は未だに苦労する事があります。
ですが、4年と云う歳月をただ基礎を学ぶだけに費やすのは勿体無い。
更に高額な学費を支払って学びに行くのであれば、先述の通り大学を学生の延長期間ではなく、社会への移行・導入期間に出来た方が意義は大きい。
 
ただ、逆説的ですが、デザインの勉強だけしていてはデザイナーとしては不充分だと思う。
現実は様々な分野の知識や経験が複雑に混じり合います。
そう云う意味では「大学に行けば大丈夫」みたいな過度な期待は禁物だと考えます。
学びを活かすも殺すも自分次第だと云う事を認識するのが肝要かと。
 

最後に

 
文部科学省が2020年12月25日に公表した2020年度(令和2年度)学校基本調査によると、2020年の大学・短大への進学率は58.6%で過去最多だった様です。
まだまだ大学への現役進学と云う選択が一般的。
ですが、学び方や学ぶタイミングはもっと柔軟であって良いと思う。
形骸化した価値観や考え方が我々社会人自身の働き方をも窮屈にしているのではないかと考えなくも無い。
 
懸念として、世の中の経済破壊が進む中、悠長に4年も学業だけやってて大丈夫か?と云うのもあります。
早い事社会で渡り合えるサバイバル力を身に付けてもらいたいですが、最終的には子供が判断する事かなとも思います。
親に出来る事はここに書いた事+αを語って考えさせるくらい。
あと頑張って学費を出す事(苦笑