コロナ禍で注目したい、多拠点生活とコミュニティ構築のヒント

こんにちわ、DSスタッフです。コロナ禍の影響ですっかり変化した生活のなかで、これからの新しい時代における価値のあるライフワークスタイルを探るため、デジタルステージとIID世田谷ものづくり学校でスタートしたオンラインイベント「CONNECT〜ミライノトビラ

第一回はLivingAnywhereプロジェクトの事務局長である藤村聡氏をお迎えして、デジタルステージ代表の熊崎隆人とIIDの青山典義氏とともに、自分らしい働き方・暮らし方を実現するためのヒントをお届けしました。

 登壇者

(※敬称略)

藤村聡       パネリスト 藤村聡
 LivingAnywhere プロジェクト事務局長

 

熊崎隆人       パネリスト 熊崎隆人
 株式会社デジタルステージ代表取締役

 

青山典義       モデレーター 青山典義
 IID 世田谷ものづくり学校

 

場所の制約を見つめ直すLivingAnywhereの活動

こうしたコロナの状況下になる前から、好きな場所で働き暮らせるような社会であるべきという考えのもと活動しているLivingAnywhereは、これからの未来の社会課題や新しいアイディアに自ら取り組む起業家やスタートアップの支援を目的とした「Mistletoe」というコミュニティによるプロジェクトの1つです。

LivingAnywhere Week in 南富良野

Photo by Masahiro Takechi

その時々の参加者によってフレキシブルに活動内容を広げる中で、オフィスのあり方や必要性が問われたことから、「1箇所の場所」という制約を意識して考え直すためにLivingAnywhereの活動がスタートしたと言います。

都心から離れて、リモートワークで仕事をこなしながら生活する合宿などを通じて、これからは場所という制約にとらわれず好きな場所で生きていくことの価値を実現しながら啓発しています。

多様化する「働き方」「暮らし方」

現在のコロナ禍では合宿などは難しい状況ですが、逆にリモートワークが世間に浸透してきたことによってLivingAnywhereの活動の意義を身近に感じられる人も多くなってきました。

 藤村氏の考えるアフターコロナの時代は、対面かオンラインかの2択ではなく、その2つを組み合わせたハイブリッドなスタイルをどうやって作っていくかということと、ヒューマンオートノミー(人の自律性や自律的な生き方)を改めて見直すことが、自分らしい自由な生き方につながっていくキーワードとなっています。

LivingAnywhere Week in 館山

Photo by Masahiro Takechi

多拠点のコミュニティを築く、環境に左右されない生活の本質

リモートワークが一般的になる中でワーケーションが注目されていますが、そういった一時的なものでは環境に左右されない働き方を生活の一部に定着させるのは難しいことです。

東京で手がけていた仕事がオンラインならばどこでもできるから地方に行くという発想がスタートではありません。複数の場所に身を置くことで様々なコミュニティに携わるようになり、その中で自らできることをチャレンジしていくことで、場所に縛られない多拠点での生活がスタンダードになっていきます。

いかに地域の人や自分と同様に集まった人との交流や貢献をできるかが、そういった生活を楽しめるかどうかのポイントです。

長崎県鹿町の棚田

収益性が見込めず耕作放棄地寸前だった長崎の棚田を「この景色を守りたい」という想いから、米を作って売るのではなく稲作を体験するビジネスに転換し注目を集めています。

稲作に参加する人達

参加料を支払い、自ら育てた米を食べられるサブスクリプションのサービスとして各方面から様々な人が参加しています。

コロナ禍の起業にはヒューマンオートノミーの視点を

自分の固定観念や世の中の常識を疑うことが出発点になり、お金を出せば物が手に入るという世の中でも、自分の身の回りのことくらいは自分でできるようになったほうが良いのではないかというのがヒューマンオートノミーという考え方の根本です。もう一つは何でも自分でやるのではなく、コミュニティの中で自分が得意なことや持っているものを提供し合うことで暮らしを作っていくことも大事です。

今はテクノロジーの進化によって早いスピードで世の中が変化していき、利便性が上がってAIが人の代わりに動いてくれています。そういった時代に人間が人間らしく生きていくためにはどうしたらいいのかということが焦点になっていきます。

何か事業を起こす際のアイディアは一般的な視点からだと何も生み出せません。3年後、5年後は今と全く違う社会になっているのではないかという視点を持ち、今の常識の通用しなくなった未来の社会や人に対してどういったことを提案していけば良いのかを真剣に考えることが必要です。

藤村氏と熊崎

今回のコロナ禍の影響で、一人一人が自分のライフスタイルや仕事のやり方について向き合うきっかけとなりました。次に同じような社会的な問題が発生したときでも、常識にとらわれずに自分で率先して順応し、何をやっていけばいいのかという意識を持っていくことで物事の改革が進んでいきます。

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