こんにちわ、DSスタッフです。
デザイナーという職業の形態として、フリーランスやデザイン事務所勤めといった社外のプロダクトのデザインを受託するクライアントワークのデザイナーと、メーカーなどに勤めて自社のプロダクトのデザイン業務を担当するインハウスデザイナーがあります。
現在デジタルステージでは、4人のインハウスデザイナーが主体となってBiNDupをはじめとした様々なプロダクトやサービスをデザインしています。
今回は、そんなデザインチームの4人が今までのデザイナー歴を振り返り、今のインハウスデザイナーという仕事のやりがいについて語ってもらいました。
制作会社からインハウスデザイナーへ
音楽とアートワークを自ら手がけるために独学で学ぶ
コウ:学生時代から音楽活動する中で、CDジャケットやフライヤーなどのビジュアル的な部分も人任せにせず総合的にモノを作りたいという感覚が強かったので、デザインは独学で本とか読んだり、実践から入りました。
仕事としては最初3年ほど受託業務メインでしたが、社内にデザイナーが1人だったので自分で解決策が見出せなかったことも多かったです。その後、コーディングを現場で学んだり、とにかくデザインを量産していく現場を経験し、効率的に仕事するという面では鍛えられましたが、クオリティにコミットできず不完全燃焼でしたね。
Webも印刷もデザイナーの仕事は実践で覚える
ニタバル:私はグラフィックデザインの専門学校を経て、最初は印刷とWebどちらも請け負うデザイン会社に入りました。その後、将来を見据えたときに自分に合っているのはWebデザインかなと思って、デジタルステージに入りました。今までのクライアントワークと違う形態で仕事をやってみたかったのでインハウスメインで探していました。
プロダクトだけでなく、トータルでデザインがしたい
オカべ:前職は印刷の制作会社で、自分も一部のデザインだけでなく総合的にモノを作りたいというのが根本にあり、空間デザインなど含め企画から携われるような会社を選びました。
実際入ってみると人数が少なかったことや僕が一番若かったこともあって、デザイン業務よりは営業補佐や事務などの方が中心になってしまって…これは違うなと。いろんな仕事を経験できたという意味ではよかったです。
デジタルステージを転職先に選んだ理由としては、アプリだけでなく製品パッケージやパンフなどプロダクトをトータルでデザイン出来そうだと思ったからです。
ハイクオリティが求められる広告制作でデザイナー修行
オモト:私はWeb系の学校で学び、そこで先輩がデジタルステージにインターンに行っていてその頃から知ってはいましたね。最初に入ったのは広告制作会社で、広告デザインの仕事に就きました。主にハイブランドの商品を撮影から広告にするまでの仕事で、アイディア出しから携われてクオリティも高く刺激も多いので、デザイナーの仕事としては楽しかったです。ただ、人手不足や待遇的な問題もあって長く続けるには厳しく、若いうちの修行としては良かったと思います。
クライアントワークとインハウスはどう違う?
コウ:前職ではデザインクオリティに対する積極性が低いと感じ、出来上がったものに対する手応えを感じられないのがストレスでした。その点、メーカーのインハウスデザイナーは、コンセプトからじっくり取り組んでクオリティに納得できる仕事ができるのが利点です。
ニタバル:クライアントワークの仕事をしていた時は、受注する側の人数が少ないと負担が大きかったり、クライアントによってはスムーズにいかずアンコントローラブルな面もありました。その点インハウスデザイナーはある程度自らの裁量ででき、一つのプロダクトを途中で手放さずにずっと携われるというプロセスが面白いですね。ただその分、仕事のバリエーションは限られるのでどちらにもプラス・マイナス面はあると思います。
オモト:クライアントワークってある意味で客商売なので、意に沿わない営業的な仕事をしなくてはいけないこともあります。前職では受注がないと自転車操業になりがちで不安定な時期もあったりしました。
デジタルステージでの仕事のやりがい
デザインに対するスタンスが変わったきっかけ
コウ:入社当時は言われるものを作るというスタンスだったのですが、同僚のデザイナーがコンセプトやデザインの在り方などの基礎から作り上げていくこだわりの強い人で刺激を受けました。自分が担当していたサイトデザインの修正依頼をたまたまその人が対応した時に、ディテールやレイアウトがかなり変わり…デザイナーとしては複雑な思いもありましたが(笑)凄くカッコ良くなってたんです。
コウ:その過程を見ながら、既にある型にはめて作るのではなく、なんのために誰のために作るのか、根本の部分を掘り下げて自分なりの解釈を加えて作り上げるスタイルにシフトしました。そこから1から作っていくことの面白さ、デザインの可能性の広がり方も見えてきましたね。
トレンドだけではない、人の気持ちに届くデザイン
オモト:デジタルステージではメルマガや販促物のデザインからスタートして、BiND9からテンプレートのデザインもするようになりました。以前はスケジュール管理やクライアント対応など色々やっていて自分の時間もないような状態だったんですが、デジタルステージは定時で帰れるので気持ちに余裕もあって、開放された嬉しさから何でも来いっていう感じでした。
コウ:オモトさんはデザインクオリティも高いしトレンドにも敏感なのでテンプレートチームのリーダーをお任せしました。最初は入社してそんなに経ってないし、フォローしつつやっていくつもりでしたが、意外とひとりで回せちゃったので、心配も杞憂でしたね。
オモト:どうやったら人の気持ちに届くデザインや構成ができるかを考えながらモノを作ることは広告時代から鍛えられていたので、テンプレートのデザインで活きている気がします。作って終わりではなく、それが相手にどう届くかまで意識することが大切ですね。
素材からとことんこだわったモノ作りが楽しい
オカべ:僕はBiNDがパッケージで出していた頃に箱の仕様を考えたり、印刷所に同行して紙の質感からこだわってものづくりしたことが印象深いですね。予算内に抑えるのには苦労はしたんですが、そういった制限があるなかで工夫することも含めて楽しかったです。今はWebがほとんどですが、個人的には形に残るほうが好きなので、またそのプロダクトの世界観を表現するような手触り感のあるモノが作りたいです。
パッケージのキービジュアルやロゴの制作秘話はどうぞこちらからご覧ください。
デジタルステージに入って広がった仕事のスキル
業務管理能力を活かしてマネジメントもこなすように
コウ:デジタルステージに入社した頃は入稿前には泊まり込みで作業したりなど、スケジュール管理が甘く突発的な仕事の仕方が多かったので、どうにかできないかと自分で周りの業務管理をしていくようになりました。結果的に、他のデザイナーや開発のメンバーとのやり取りも円滑に回るようになったことで同僚にも感謝してもらえて、マネジメントの大切さを認識するようになりました。
実践で学んで形にする、マルチなデザインスキル
ニタバル:元々、UIデザインは外のデザイナーさんに頼んでいましたが、内製するタイミングから携わることになりました。
コウ:PhotoCinemaの時だね。外注だと修正のやりとりに限界があったりしたので。ニタバルさんは何でもマルチに作れるスキルのある人だったのでUIも任せられる、と思ってやってもらうことにしました。
ニタバル:最初はある程度設計されたものに手を加えていくところから始まりました。体系的にUI/UXを学んだことはないので、自分で調べて実践しながら身に付けていっています。何しろ日々業務としてBiNDは使っているツールなので、使い勝手をよりよくすることを考えやすいのもインハウスデザイナーのメリットですね。
興味のある事に挑戦できるから強みが増える
オモト:マーケティング機能のSmoothGrowではマーケティング担当とアイディア出しして、私がXDですぐにプロトタイプを作り試行錯誤するという流れで作っていきました。Google Analyticsで分析してプランを考えたりするのは好きなので、最近はマーケティングも向いてるかもと思ったり。デジタルステージは興味のあることをやらせてくれるので、自分の強みや仕事の枠が広がったと思います。
コウ:自分たちが手がけるプロダクトを実際に使っているユーザーさんと直接触れ合えることも我々のメリットです。最近はユーザーさんに対してもオンラインでのコミュニケーションや接点がメインでそれはそれでよいのですが、やっぱり実際に会って交流できるリアルイベントから吸収できることは大きいです。久しぶりにやりたいですね。
4人全員が経緯もきっかけも全く違う、十人十色なデザイナー歴でした。同じくデザイン業に携わっている方は共感する部分も多かったのではないでしょうか?
どんなデザイン職に就きたいか検討している方はぜひ進路の参考にしてみてくださいね。
次回はデザイン業務で欠かせない愛用の仕事道具やこれからやってみたい事をご紹介しますので、どうぞお楽しみに。