こんにちわ、DSスタッフです。
様々なサービスやツールを使いこなす上で重要となる、UI/UXのデザイン。スマホアプリの登場もあってマニュアルレスの直感的な使い方が広く求められるようになりました。
Webサービスを提供しているデジタルステージにとっても、ここ数年はとくにUI/UXデザインについて意識を高く持つようになりました。そこで、デジタルステージのUIデザイナーに「良いサービス」に近づけるための心意気や仕事ぶりをインタビューしました。
- そもそも、UI/UXデザインとは?
- 普段、使っているからこそ見えてくる'真の使い勝手'
- 使い手に委ねられる奥行きのあるサービスを目指す
- UI/UXのヒントを得る、デザイナーのライフワーク
- 「良いサービス」とは、細かいUI改善の積み重ね
- まずはユーザーの使い方を知り、一歩先へ伸ばすUIへ
- デザイナーひとりではNG。UI/UXのナレッジをシェアする環境
そもそも、UI/UXデザインとは?
UX=“ユーザーエクスペリエンス”とは、ユーザーがサービスを利用することで得られる、使いやすさ、デザインの良さなどを感じられる体験。
ニタバル:UIやUXという言葉自体は新しくはないですが、一般的になったのはデジタルサービスやスマホが広まってからという印象が強いですね。UXはユーザー体験やサービス設計など、より大きな概念を含むので、UIはUXを構成する要素のひとつという認識です。
普段、使っているからこそ見えてくる'真の使い勝手'
ニタバル:WebオーサリングツールであるBiNDupのUIをデザインしていますが、普段から自分が使っているツールだからこそ、ここをこう変えた方がいいという改善点に気づきやすくもあります。
一方で難しいのが、BiNDupは初心者からWebの上級者まで使えるツールなので、色んな使い方を想定しなければなりません。
例えば、一見ボタンが少ない方が使いやすそうですが、目的の機能がそこになければ辿り着くまでクリックが多くなるとも言えます。かと言って、最初に見える要素が多すぎると探しにくくなる。つまり、どんなユーザーがどんな使い方をしても見やすく、迷わないことが大事なので、機能をきちんと整理し配置することがまずひとつです。
あとは、皆が慣れている汎用的なルールを考慮するという面があります。ハートマークなら「いいね」や前向きな共感であることがわかるように、アイコンやマイクロコピーなどはできる限りユーザーが慣れているルールを使うことが多いです。
使い手に委ねられる奥行きのあるサービスを目指す
ニタバル: サービスやアプリの良さというのは結局のところUXがちゃんとしているかだと思っています。私が愛用しているアプリのひとつである「Notion」だと、最初は多少複雑さを感じますが、使っていくとこんな事もできる、あんな事もできるというサービスの奥行きがわかってきて、それが良いアプリという評価につながっていると思います。
良いサービスとは、作り手が使い方を決めるのではなく使い手に委ねられているもののような気がします。あとは、エラーや操作にストレスが少ないのも重要ですね。
UI/UXのヒントを得る、デザイナーのライフワーク
ニタバル:こういう機能を作りたい、と思った時には、似たようなアプリやサービスをいくつか触ってみて参考にすることもしょっちゅうです。定期的にApp Storeやアプリのレビューブログをチェックしていて、面白そうと思ったアプリはとりあえずダウンロードしてるので、私のスマホはものすごい数のアプリが入っています(笑)
アプリを使い始める時など、搭載されている機能をとりあえず全部試すことも多いです。
いま開発しているSmoothBooking(BiNDupの予約機能)では、国内外の予約サービスを参考として使ってみました。予約機能は、この項目をどこで設定したらいいんだろう?と迷ってしまう設計のものがどうしても多くなる気がします。複雑なシステムだからこそ、初見にはわかりづらくなりやすいんですよね。
他には操作を間違えてしまった時も、どこが違うのかが分かりやすかったり、やり直しがしやすい作りが重要だと思います。色々試した中で、設定箇所に辿り着くまでに迷わず、手順がわかりやすいものを参考にしました。
「良いサービス」とは、細かいUI改善の積み重ね
ニタバル: 今回のBiNDupのアップデートで基本のページ編集であるブロックエディタの操作画面を一新していますが、パーツの部分はカテゴリをクリックしてお目当ての機能を選んで、という煩わしさからスクロールで一覧できるように改善しました。
他にもカラム幅の指定に%とpx選べたり、マイクロコピーの微調整やリンクパーツの長さ改善など、細かい部分なんですが、普段から使っている人からすると新しくできることが増えるよりも普段使いの機能の改善が嬉しかったりするんですよね。
ニタバル: リリース後に利用ユーザーによるフィードバックをもらって、さらに改善していくトライ&エラーのサイクルがあってこそ、使い勝手の改善になるので追求していきたいです。
本音を言えば、UI/UXを根本からガラっとリニューアルしたい思いもありますが、少しずつ地道に作業をしていくのがUIデザインのお仕事だと思います。
例えばInstagramやAdobe XDなど、大きな改変をすることもありますが、その間では小さな改善も重ねていて、使い続けているユーザーに大きな負担を感じさせない程度に改善を重ねていることも多いですよね。
まずはユーザーの使い方を知り、一歩先へ伸ばすUIへ
ニタバル: 春頃から「BiNDup Growth Project」というユーザーの皆様からBiNDupへのリクエストを寄せてもらう企画を定期的に行なっていて、ほぼ同意!の改善要望が多いですね。この機能をこういう風に使っている、という具体的な回答は特に参考になります。
UI改善においてよく言われていることなんですが、ユーザーの方からの要望をそのまま反映していれば必ずしも良いサービスになるわけではありません。どういう使い方がされているかを把握して、どんな改善が必要かを考えていくことが重要ですね。
普段使い慣れているツールだと、この機能はこういうものだから、という認識になっていて、使いづらさに気づけないこともあります。そういった部分をユーザーの皆様から指摘していただくこともすごく助かります。
初心者向けと上級者向けにモードを分けたり、WISYWIGで編集できたり、スマホやタブレット対応なんかも視野にいれたり・・やりたいことは山積みですが、一歩ずつ地道に取り組んでいければと思っています。
デザイナーひとりではNG。UI/UXのナレッジをシェアする環境
ニタバル:今後もUI/UXの知識や経験を積み重ね、これからも向上し続けていかなければと思っていますが、正解がない分野なので、自分だけで判断できないことも多いです。最近はUX MILKなどのライブラリーを使って、皆でナレッジを共有する文化がネット全体に広がっているのでかなり助かりますね。
UXは単純に機能の良さだけでなく、プロモーションやサポートなどのサービス全体に関わってくることなので、それぞれのチームで協力しながら取り組んでいって、更にそれを統括できるUXデザイナーがいるのが理想だと思います。
いかがでしたか?
日頃からWebデザイナーとしてBiNDupを使っているだけに実践での気づきが多くあり、サービスとの距離の近さがUI/UXデザインに生きてくることがわかりました。UI/UXデザイナーはインハウスの方が多いのも、サービスそのものの設計や根幹に関わってくる要素が多く占めるからかもしれません。
UI/UXというの特に意識していなくても、サービスの良し悪しをなんとなく感じられますが、その裏は地道な試行錯誤の積み重ねです。このほかにも、デジタルステージのデザイナーがUI/UXについてそれぞれの考えを語っていますので、こちらもぜひ読んでみてください。